深田 上 免田 岡原 須恵

ヨケマン談義11.昔懐かしふるさとの味

11-13.大根ナマス ブエン入りナマス

 あさぎり町議会の難波文美さんは、「なます」が昔懐かしい食べ物だという便りをいただいた。
ナマスは、膾、鱠、生酢と書く。ナマスは獣肉を含み、魚貝や獣などの生(なま)肉を細かく切ったもの、またそれらを酢などで調味したもので、最古の歴史をもつ食べ物の一つである。『日本書紀』(720年)には「ナマスツクル」とある。牡蠣(かき)なます、魚を用いる沖なます、柿なます、などがある。一般的なものは、ダイコンやニンジンを細く刻んでつくる大根ナマスである。

ナマス① ナマス②
図1.大根ナマス 図2.酢サバ入りナマス

図1に示す「大根ナマス」の作り方である。

大根1/4本、人参1/3本、塩 小さじ1、砂糖 大さじ2、酢 大さじ3、ゴマは好みの量である。
  ・はじめに、大根と人参の皮をむき、細くスライスしておく。
  ・次に、大根と人参に塩をふりかける。しばらくすると野菜から水分が出てくるので、水気
   を絞りとり調味料に入れる。
・調味料は酢と砂糖を混ぜ合わせたもので、ゴマは好みに応じてかける。

 関西の増田さんは、これに刻んだウス揚げを混ぜ込むとのことである。
さらに、酢でしめた鯖(さば)を入れたものが図2である。筆者の故郷では、鯖だけでなくしめ鰯(いわし)も入っていた記憶がある。

 タイトルの「ブエン入りナマス」のことですが、未だ冷蔵庫や冷凍技術が発達していなかった頃の筆者らの田舎は、海から遠いこともあって、海の魚は塩ものばかりであった。その中で、酢締めした「しめ鯖」は塩を使っていない生ものの魚。「ブエン(無塩)入りナマス」とは、図2がまさにそのものである。
ブエン」については、14の「かぶと煮」でも説明する。

↑ 戻る 

談義11-12へ | 目次-2 | 談義11-14へ